语气词「ようだ」「らしい」「そうだ」的区分使用(2)

(野林 1999)。ネイティブスピーカーがは大体無意識に正しく使えるが、中国語ではすべて「好像」 と訳されるので、これらの使い分けは中国人日本語


(野林 1999)。ネイティブスピーカーがは大体無意識に正しく使えるが、中国語ではすべて「好像」 と訳されるので、これらの使い分けは中国人日本語学習者にとっては、非常に困難である。筆者は日 本語学科の学生として、これら類義のモダリティの難しさを実感した。例えば

(1)   田中さんまだ帰っていないようです

(2)   田中さんまだ帰っていないらしいです。

(3)   田中さんまだ帰っていないそうです。

(4) 田中さんまだ帰っていなさそうです。 この四つの文を中国語で簡単に訳せば、全て「田中先生好像还没回来」という。この訳文からみる

と、言葉のニュアンスと意味の差がなかなか出て来ない。

「ようだ」「らしい」「そうだ」についての研究はこの十数年続いている。多くの研究成果を収め た。本稿では、先行研究から様々な意味や用法をまとめ、これら三語の使い分けの基準を考察する。 さらに日中母語話者における「ようだ」「らしい」「そうだ」の使用実態を分析し、中国人学習者へ の指導の提案を試みる。

2.  先行研究と本研究の立場

2.1  日本語「ようだ・らしい・そうだ」の研究

現代日本語において、同じ「観察/推定の認識的モダリティ」と呼ばれている「ようだ」「らしい」「そうだ」は相互に類似点を持っていており、それらの差異について考察している研究が多い。その 共通性を図に示すと、次のようになるようだ

相 量

そう らしい (中畠 1992) 伝聞

今回、筆者はこの図をもとに、三つの機能に基づき、先行研究を参考にし、「ようだ・らしい・そ うだ」使い分けの基準を以下のようにまとめる。

2.1.1 推量機能に基づく

この中、一番よく論じられているのは、「ようだ」と「らしい」の「推量」用法である。寺村(1979) から、この両形式に関する研究は盛んになっている。今までの先行研究をまとめると、概して3種類 がある。

一. 根拠の質:直接情報か間接情報か

「ようだ」と「らしい」は両方とも根拠に基づく推量を表すものである。判断の根拠は「直接情報」 と「間接情報」に分けている。「直接情報」は話し手自らの感覚、経験から得た情報で、「ようだ」 使い、「間接情報」は自分以外の他から得た情報で、「らしい」を使う。

(5) 店内をひととおり見てきたが、この店の品物はどれでも近くの店より一割ぐらい安いよう だ。(早津 1988)

(6) 甲子園での巨人戦を取材してきた同僚の話では、阪神ファンの熱狂ぶりはききしに勝るも のであるらしい。(早津 1988)

(5)は話し手が自分の観察により下した判断で、「ようだ」を使い、(6)は話し手の外部からもらっ た情報を根拠にし下した判断で、「らしい」を使う。

二. 判断内容と観察対象の距離 菊地康人(2000)は、「ヨウダは〈対象を直接観察し、観察に密着した一体のものとして様子を述

べる〉場合に,ラシイは〈観察に推論を加えて、または伝聞に基づいて、判断内容を述べる〉場合に 使う」と述べている。即ち、判断内容と観察対象の距離が近いと捉えると「ようだ」を使い、遠いと 捉えると「らしい」を使う。

(7) きのう彼と一時間ほど話しましたが、彼の話し方には時々関西弁がまじる[ヨウダ/ラシ イ*](早津 1988)

(8) あの秘書は愚鈍なように見えるが、あのやり手の社長が手放さないのだから、あれでなか なか有能[なヨウダ*/ラシイ](菊地康人 2000)